平和への道を歩み続けたフォトジャーナリストの集大成

神奈川県厚木市の中津川沿いで育ち、大山の山並みを見て過ごした日々。その平和な風景が、私の原点です。しかし、県内には米軍基地があり米軍の事故や米兵による犯罪が絶えませんでした。高校の近くに米軍野戦病院があり、ベトナムから負傷兵が運び込まれる光景を教室の窓から度々見ていました。私の青春時代はベトナム戦争と直結していたのです。戦争、平和、環境問題に関心を持つようになったのは必然でした。
  私は報道写真家として世界各地の戦争と核汚染の現場を取材してきました。核実験場、チェルノブイリ原発、劣化ウラン弾で放射能汚染されたイラク、戦禍の続くアフガニスタン、そして米軍基地の集中する沖縄で、その時代を記録し続けてきました。
 Downwinders(ダウンウィンダーズ)とは、米・ネバダ州での核実験で放出された死の灰が降り注いだ「風下の人びと」を意味します。核実験の風下地域だけでなく国家の起こした戦争被害者、社会の片隅で虐げられた人びともまた、Downwindersなのです。
  この写真展は報道写真家として歩んだ50年間の集大成です。多くの方にご覧いただきたいと思います。

(写真)イラク・バグダッド

森住 卓  TAKASHI MORIZUMI

1951年、神奈川県厚木市生まれ。沖縄の米軍基地や世界の核汚染地の取材を続ける。劣化ウラン弾汚染を告発し、同禁止条約キャンペーンに参加。

主な著書に「 イラク - 湾岸戦争の子どもたち」(高文研)、「核に蝕まれる地球」(岩波書店)、 「新版セミパラチンスク 草原の民 核の爪痕」(高文研)、「沖縄戦 最後の証言 おじいおばあが新基地建設に抵抗する理由」(新日本出版社)、「浪江町津島 風下の村の人びと」(新日本出版社)など多数。

1部 Downwinders 風下の人びと

核実験場/劣化ウラン弾 / ウラン鉱山/ 原発事故

爆心地(グラウンドゼロ)から遠く離れた場所でも、風と雨によって運ばれた放射性微粒子が大地と人体に降り注いだ。そこに住む人々には放射能で汚染した事を隠されていた。その地が命を縮める場所であることを。慎ましい暮らしを営みながら、見えない脅威にさらされ続けた。

(写真)カザフスタン・セミパラチンスク

2部 戦争と震災

中東戦争/イラク戦争/アフガン戦争/ コソボ紛争/自然災害

かつて戦火のイラクや、核被害のセミパラチンスクで撮影した子供たちの顔が、現在のガザやウクライナ、そしてイランの子供たちの表情に重なる。写真は過去を記録したが、写っている事実は今に続く過去なのだ。

(写真)アフガニスタン・ジャララバード

3部 抵抗の記録

反基地闘争/反戦地主/強制集団死/辺野古・高江/水俣病

県民の4人に1人が亡くなった沖縄戦。戦後は米軍占領下で、生きる権利を奪われ続けた。復帰後も米軍基地は居座り続け、命と暮らしを脅かし続けている。核も基地もない平和な島を求め、ずっと闘い続けてきた。「あきらめない」・・これが沖縄民衆の信念である。。

(写真)沖縄県伊江島

4部 エピローグ「希望へ」

三宅島/沖電気争議団/祝島/水府大神楽

人びとは苦難を乗り越え歴史を紡いできた。解雇にあらがう労働者。原発反対を貫く祝島。広島の高校生。平和のために闘った百里や三宅島の人びと。伝統を守り続けた水戸大神楽。そして音楽の都ウィーン。どこでも人びとの顔は誇りに充ちていた。

(写真)沖縄県国頭村安田

写真展『Downwinders 風下の人びと』開催情報!

2026年9月24日(木)〜29日(火)

あつぎアートギャラリー

〒243-0018 神奈川県厚木市中町2-12-15(アミューあつぎ5階)
開場時間 :10:00~19:00 ※ 最終日は14:00まで
写真展・トーク共に入場無料・会期中無休

【 主 催 】
厚木が生んだ写真家・森住卓写真展実行委員会

【 後 援 】
厚木市/厚木市教育委員会/社会福祉法人 厚木市社会福祉協議会

【 問合せ先 】
090-3134-1354(諏訪部 晶) 090-2142-8677 (豊 雅昭)  080-1172-1094 (山本 幸子)

9月24日(木) 11:00~12:00 厚木アミュー7F ミュージックルーム2

オープニングスペシャルトーク

【すべて入場無料】 ※会場混雑が予想されるため先着80名様とさせていただきます。

加藤とき子さん + 前川喜平さん + 森住 卓

加藤とき子 さん
歌手、1943年ハルビン生まれ。東大在学中に歌手デビューし、「赤い風船」「ひとり寝の子守唄」「知床旅情」など多数のヒット曲を発表。国内外で公演し、フランス政府よりシュバリエ勲章受章。映画出演や『紅の豚』声優としても活躍。環境活動にも力を注ぎ、WWF顧問や国連環境計画親善大使を務める。2025年に歌手活動60周年を迎えた。

前川喜平 さん
東京大学法学部卒業後、文部省(現・文部科学省)入省。大臣官房長、初等中等教育局長、文部科学事務次官などを歴任、2017年1月退官。現在、現代教育行政研究会 代表を務め、その傍ら、自主夜間中学スタッフとしても活動。著書『日本の教育、どうしてこうなった?』(共著/大月書店/2022年)など。

9月25日(金) 13:30~14:30  会場:写真展ギャラリー内

山内若菜さん + 森住 卓

画家。1977年神奈川県生まれ。原爆の図丸木美術館、平塚市美術館など各地で展示。2021年、第8回東山魁夷記念日経日本画大賞入選。2023年、「おれたちの伝承館」(福島県南相馬市)天井画制作。2025年、核兵器禁止条約締約国会議の会場で作品展示。著書に『いのちの絵から学ぶ』(彩流社)。

9月27日(日) 12:30~13:30 会場:写真展ギャラリー内

金平茂紀さん + 森住 卓

ジャーナリスト。1953年北海道生まれ、東大卒業後TBS入社。JNNモスクワ支局長としてソ連崩壊を取材後、『筑紫哲也NEWS23』編集長やワシントン支局長を歴任。TBS執行役員を務めたのち、『報道特集』メインキャスターなどを長年担当。国際報道や調査報道を中心に第一線で発信を続けている。

9月28日(月) 13:30~14:30  会場:写真展ギャラリー内

今野秀則さん+片山夏子さん+森住 卓

今野秀則さん
 1947年生まれ。福島県浪江町津島地区出身。2011年3月11日の東京電力福島第一原発事故により津島から避難を指示される。現在は5か所目の避難先・福島県大玉村で生活。津島地区住民の約半数が参加する 「ふるさとを返せ 津島原発訴訟」原告団長。国の責任を否定した2022年6月17日の最高裁判決を正すため、 原状回復(ふるさとをきれいにして返すこと)を求めて闘っている。

片山夏子さん
東京新聞記者: 福島第一原発労働者の被ばく労働を告発。震災翌日から原発事故を取材し、福島第一原発で働く作業員の日常を描く「ふくしま作業員日誌」を連載。二〇二〇年、同連載でむのたけじ賞大賞受賞。さらに、廃炉作業の現場に長期密着し、作業員の労災や雇用構造の問題にも光を当て続けている。著書に「ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年刊の記録」(朝日新聞出版)